東京の下町、スカイツリー展望台に初めて登りに来た「あおな」はその光景を満喫していた。 周囲の高さに目を眩ませながら備え付けの望遠鏡で都内周囲を覗き込む。 「うっわぁぁぁぁ・・・高いなぁぁぁぁ」 キャッキャと楽しむその姿は純真そのものであった。 「あれ?何だろ?」 望遠鏡で覗いた先に、女の人が襲われていた。 「大変!女の人が襲われてる!誰かに知らせなくちゃ!!」 と、望遠鏡から顔を上げた瞬間、信じられない光景になっていた。豚。――豚の怪物が周囲の観光客を襲っていたのである。 「きゃぁぁぁぁぁ!」 余りの理不尽な状況に取り乱すあおな。失禁しつつ、思わずその場から逃げだしてしまう。 目の前では男は殺され女は犯される悪夢の催事が行われている。頭を真っ白にしてスカイツリーを徒歩で逃走するあおな。 そこへ目の前に一人の少女が横たわる。 「た……たすけて、お願いあなたの力で……」 「えっ?え? 何言ってるのかわかんないよぅ。」 「貴女にはきっと勇気がある……変身して……闘って……」 そう言われ手気を失うアリス。そこへ大きな豚男がのしかかろうとした! 「ダメぇぇぇぇー!!」 思わず豚に体当たりをするあおな。 しかし豚はびくともしない 「かなわない……一体どうしたら?」 それでも体当たりをしようとするあおなに身体に光が放たれた! ――ここに魔法少女が誕生する。 |